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日頃の行動をメモ。消しゴムで消して作品へと昇華する前の、日々の下書き。
This is my dairy memo. These will be a work after brush up process. .




    2004.JUNE

6/2 テープからパソコンへ

まものクエストの、88年に録音したテープ(!)をデジタル録音。

お気に入りの、カノープスのUSBのA/Dとデジタル入力をつなげる。本当はFM-7からレコしたいところ。そのうちなんとかしたい。サンプリングもしたいしねー。

しかし、こうやってノートの周りにUSB機器をゴテゴテつなげている現状を見ると、今は亡きPCエンジンのコア思想がここに!とか思ったり。


6/4 NIME04 2nd day

NIME04、音楽表現のための新しいインターフェイス学会、が静岡文化芸術大学(SUAC)で開かれる。本当は3日、つまり昨日からやっていたが、今日、どうしても我慢できずに静岡まで来てしまう。だってさ〜音楽と、特に映像に関するインターフェイスは正に今私が構築している場所なのでヒントは微塵でも欲しい。しかし〜、遠いよ!



この学会、3日通し参加費だけで4万円ほどかかるため中止しかけていたのだが、よくよく調べると、実は公開されているデモは無料だし、コンサートは1000円とのことで、それなら電車賃だけでいける!と思い朝イチですっとんできた。もし面白ければ泊まって明日も居ればいいし、ダメなら即効撤退すればいい。



demo session

午後から始まるデモセッションを見て回る。大学のあちこちの教室に、研究者が自分のデバイスを展示していて、もおワクワク。無料。

StrangloPhone

透明の玉を左手でつかむ。玉からはワイヤが4本伸びていて、その先にリングが付いている。そこに右手の指をはめ、引っ張って音を出す。傾けたりするとセンサにより音が変化。またワイヤーの引き具合でエフェクトがかかったり、音量を変化させたりできる。

この楽器は、とにかく握力を必要とし、また、その頑張り加減が音に反映されるので心地よいが、5分ほど格闘していたら握力がなくなった(笑)が、これは欲しい。音はPD生成。また、インターフェイスはMIDIをUSB経由。(movie)

Stick Music

左手のスティックでサンプラーの時間軸を操作し、右手のマウスでその音程やサスティンを操作。

マウスの移動には限界があるので、永遠に音を伸ばしたいときにもどかしい。またサンプルネタも人声以外は変化がわからない。今後に期待。

TOASTER and KROONDE

スティックに装着できる、非常に軽量かつ小型のセンサー。振ってみたが連打には耐えられない印象。トリガーとしてなら実用だが、ニュアンスのプレイにはまだまだ程遠い。
ただ、単発のときの感度は悪くない。チャンネルも多く持てるし無線で飛ばせる。
なんか企業の売り込みっぽかった。



箱の中に石が入っていて、触るとジャバジャバ水の音がする展示。
あたかも水の中の石を触っているかのようで面白い。このところのメディアアートに多い、いわば実物にフェイクの音を混ぜて錯覚させるタイプ。面白いが楽器にはならんなー。作品として完結してる感じ。ちなみに、飛び入りなのか、データはナシ。

Light Pipes

パイプが並んでいて、ペンライトでパイプの穴を照らすと音色や音量などを操作できる。左側のパイプ群がパレットで、右側のパイプ群が音階、みたいな感じ。左パレットで音を拾って右で音階操作、みたいな絵の具操作が可能なのが面白い。こういったジャンルでは珍しい韓国の人。

パイプ上部を手でふさぐとリセットされる。光による操作なので非接触の心地よさがある。ジェスチャーよりも光でのコントロールがスマートなのかもしれない。これは、タブレットPCなんかでもそう。非接触の方がここちよいのではないかなあ。勝手に遠くまで届くし。

トータルで直感的ではなく、演奏の快感はなかったが、何かありそうな感じで今後に期待。。笛の音が永遠になる感じはうたうたの薬屋パズルを思い出す。ここでも、minimanなどが活躍。


i-trace

天井にカメラがあって歩行者を認識。歩くと、歩いた後に波紋が残り、場所に準じた音程が出る。また、2人以上でお互いの波紋が混じるとエフェクトが起こるようにしてあり、製作者いわく2以上の人間同士の交じり合いを誘導するため、とのこと。

講堂ロビーのMAP2同様、反応がユルくなるので、演奏には程遠い。メディアアート系の美術館以外のゴールが見えない。センサー感度に由来する弱点を、人の物理移動限界に絡ませてどう楽器にするのか、がこの手のアプローチの課題だと思うが、この展示ではその試みがわからなかった。

走ると演奏が早くなり、止まるとブレイク、暴れる(?)と演奏がハデになる、まわるとリフの繰り返し、というようなある程度頭いい演奏AIを入れる方向なら可能性があるが、自動演奏と演奏者が感じられる自由度の境界が調整の最大のカギになる。どっちにしろ大変な道。


Silly Tone

粘土のウサちゃんの耳を両手で握ってグリグリやると音が変化する。

横でファイナルターゲットは何か、と誰かが質問していて、その答えがキッズ。

このところメディアアートの人たちはみんなキッズ対象に向かっているが、それってどうなのか。この大学の学生とも知り合いになったり、古くは都の施設で高校生たちとたわむれていたが、若い人ってみなピュアで反応いいし話していて楽しい。でもそれってあったりまえなので、そこに甘えていいものかどうか。それとも大人を見限っているのか。ただ、困ったらキッズ向け、というのはなあ。キッズ向けって実はそうとう難しいのよ?大人のように不満があっても割り切って使う、なんてことしないし。ただまあ、フラットな反応を見るという意味では非常に有効なことは間違いないけど。

A Shape-Based Apploach to Computer Vision
Musical Performance Systems


カメラが取得した人体のジェスチャーを解釈し音を発生させる。角度とか物体の多さとか。ただ、演奏には程遠い。煙などを写すと、そのユラメキに沿った音がでるような気もするが、さて。。


installation

MAP2

講堂の近くの高い天井のロビーに展示。

天井あたりにカメラがあり、床のテーピングの範囲内でウロウロすると人の動きをとらえて音が変化する。激しく動くとそれなりに音程が変化するので、面白い。ただ、演奏している感はあまりない。(movie)


USAC student work

The music table ?

西側入り口横の会場にて展示。

カードを置くと、絵柄を認識して演奏。岩井俊雄氏の音楽のチェスのアナログ版、という感じ。認識技術は昨年コクヨホールでやっていたVR認識に近い。ループに限度があるので、デザイン含めてまとめた岩井氏のセンスのよさが判る。

Drum's D-N-A

らせんになった軸に、ピンを刺すと、そこがトリガとなる。ループが長いので、変化させた場所がわからないが、差す行為自体が面白くてしばし抜き差し。

完成させたシーケンスや音源などはリズムマシンで組んだごとくつまらんのだが、手を動かして完成させた充実感はあった。このあたりに、ヒントがあるように思える。

ただ、やはりこの手の作曲手法は、テノリオンとか音楽のチェスが完成形な印象がする。



Concert 1

"Tokyo Lick" ( Jeffrey Stolet )

テルミンのピアノ版という印象だが、かなりダイナミックな演奏!

手をかざし、上下することでピアノの音程が変わる。
テルミンと違う点は、持続音の代わりにピアノの連打音が出ることと、表情をつけられる点。
それにより、オーケストラのような華麗なる演奏が実現されている。指揮者っぽい。サムライだ!(movie)

楽曲がシーケンスではなく、スケールでの発音だとしたら、楽器としての実現性はかなり高いと思った。というか演奏してみたかった!これだけでも来た甲斐があり。

MAX/MSPを使用。コンサートのみで論文はなかった。仕組みを知りたいところ。

'Stupid Thing' Improvisation ( Clay Chaplin )

センサグローブを装着。手を握ったりして音を出したりする。かなりノイジーで、演奏というよりエフェクタ、という印象。ゴールが見えない。

Saraswati's Electo-Magic

エレキシタール演奏。バックにはVJ。

狙い不明。エレキシタール自体がすごいのかも。バックのVJは左脳系で取り立てて新しくなし。

'particle'
( Kanta Horio )


2部構成になっていて、手元のクリップを磁石にくっつかさせ磁性を変化させてカタカタいわせるデモ(左)、
そして手元の映像が過去の映像と頻繁に切り替わる不思議なデモ(右)。

最初のクリップについては、磁性の関係で、クリップがあちこちでカタカタ、カタカタいうのを楽しむ、といういわば童心に帰って楽しめるデモだが、会場の外国の人たちはクスクス大喜び。(movie)

また、次のデモは、折り紙をくしゃくしゃにしていくのだが、その画像は、数秒前の映像をフラッシュバックのように差し入れるため、時間軸が激しく前後するようで面白い。VJのスタイルとして新しいスタイル。お笑いでもある、自己パロディー、という位置か。ポップな仕上がりが好感持てる。今回のコンサートで一番観客のオベーションがすごかった作品。(movie)


"GuitarBotana" ( Mari Kimura )

ギターロボットと呼ばれる機械と、バイオリニストが共演。

ギターロボットは、4本の弦から成り、3枚のギターピックが取り付けられた軸を、高速回転させて弦をはじく。また、弦を押さえるアームもモータで上下に恐ろしい速さで動作、まさにロボットだ。人間では弾き得ない表現が可能なロボット楽器!かなり面白かった。(movie)

今後について私が感じたのは、このロボットがバイオリンの音色に反応して演奏を変えているのか、という点と、変えているならそのアルゴリズムの概念はどういったものか、という点。

もしシーケンスで演奏するんだったら、ロボットの精度のみに注力すればいいわけで、それは力技な話であって表現とはあまり関係がないようにも思える。人間の身体出力が機械の動作に反映されてナンボな気がする。まあ、ここではバイオリンの演奏の仕方に影響は与えているのでゼロではないのだが。

なお、このギターロボット自体は、LEMURという制作集団が作成しているもので、文化財団など多数から助成を受けて活動している模様。そうか!財団からの助成って未来像としてアリ。

ロビーでの一般展示が日曜日らしいので確かめたい。ただ日曜はじじいの練習がある。任天堂、ということで宿に帰る。

全体的にわかるのが、MIDIで入力デバイスを工作し、M-AUDIO系のMIDI>USBデバイスを通し、PCでMAX/MSPかPDというパターンらしい。
とにかく、どんなものであれ作ってしまっているのを多数目の当たりにできたのは凄く刺激になり、勇気付けられた。


6/5 NIME04 3nd day

面白いことがわかったので、今日は大枚ハタいて学会自体に参加してみることにした。1日12000円ナリー。それなりの額だが、得られるものがあればこれからずっとお付き合いのキッカケになる。つまりは投資。



朝9時から授業だ!教習にしろ何にしろ、このところ授業多いなあ。



Paper session

On-the-fly programming

BASICのダイレクトコマンドでサウンド系のコマンドを実行すると即音が変化する感じ。オブジェクトなどをリアルタイムで生成、修正して、生プログラミング=演奏、とする言語Chuckについてのレクチャー。音を発生させるオブジェクトをどんどん作ったり、コールしたり、解除したりで演奏を実現させようとしたもの。リアルキーボードでのプログラム演奏は、プログラマには朗報、てなとこかな。夜のクラブ演奏でライブをやるらしいので楽しみ。

Live Cinema

映像再生を、リアルタイムで操作するインターフェイス。VJには必須のもの。指にデバイスを装着し、画像上の映像アイコンを掴んだり、投げ込んだりして再生させたりするのは面白いが、映像自体のコントロールはさほど。



Poster session


Thermoscore

キーボードの鍵盤に熱を設定できるシステム。例えば、スケールから外れた鍵盤を熱くしたりして体罰的(笑)に行動を抑制できる。また、ある時間軸上の鍵盤の温度マップを作成できるので、時間経過に沿っての演奏者のアドリブの抑制などができる。

実は3日に発表のあった、空手教習でのデバイスと同じアプローチ。この空手学習システムでは、正しい型の時にビシュ!というような快音が出るようになっていて、修得者を無意識に誘導するようにし、10ヶ月の実験で成果を出している。まあゲームでは日常使われているテクだが現実応用はなかなか小気味いい。


Sonic City

被験者にモバイル機器を装着させ、街を普通に行動してもらい、彼らの動作や街の喧騒を音楽に変換するもの。変換の仕方がなかなか面白かった。

今後としては、たぶん街の場所によって人々の行動というのは平均化できるはずなので、生成される音楽の傾向も固有化(激しい音楽が生成されがちな地域、静かな音楽が生成されがちな地域等)できる。そこから普遍的な街の音楽マップみたいなものを生成できそうに思う。去年のアルス で、街の地図を指すと環境音が出るものがあったが、環境音の代わりに街の固有音楽を聞かせるみたいなね。


SUACのコンサートホール

コンサートの行われている、SUACのコンサートホール。正面背後にスクリーンがある。殆どが外国の人。

Concert 2

Limber-Row

ダウジングのように鉄の棒をフラフラ動かし音を操る楽器。棒の動作で音をひょい、と操れる。曲?ごとに音源を変えるのだが、変化がないのでだんだん退屈してくる。

You and Me

左右から息を吹き込んでそれをセンサで感知する尺八デバイス?2人が同時に吹き込むときお辞儀をするのがなんかヘン。演奏自体にはシステムの特性があまり反映されていない感じ。これもだんだん飽きてくる。

Chase

スクリーンには白い四角が表示され動き回る。舞台には台車を動かしまわる人がいて、白い四角を追いまわすことで音が発生する、というゲームみたいなデモ。追いついた?ときの音や通常サウンドが心地よく飽きない。

ice9

舞台のダンサーをビデオカメラで撮影し、エフェクトかけて出力する。いわば電気影絵。メタムキンと同じく、こういうのって観客参加型でないと面白みがわからんのが弱み。




Club Concert

Ruins A39 ( Sinan bokesoy )

ジェット機のようなサウンド!パソコンにつないだベースを演奏することで実現しているらしい。またどんどん速度が上がっていくのが快感!!(movie)

ちなみに、カメラの前でちょっとジャマな人がMOOG博士(笑)


Dr.Dentist and the Oral satisfactors

口の開き具合をモニターし、その形状を解析して音を変化させるシステム。試みは買うが、出力がみんなおんなじな気がする。

On-The-Fly Counterpoint

生プログラミングで、音発生を変えていく。プログラミングの様子は背後のスクリーンに表示される。

演奏自体はランダムっぽい音、BASICでいえば、sound 0, rnd*256 みたいな音とかで、演奏には程遠い。このツールを使った演奏者、が必要な印象。生なプログラミングのビジュアルは甘美なので、そのワナにはまらないで欲しいところ。



クラブでは、出演者や芸大の学生、NIME04を手伝っている学生たちと知り合ってあれこれ話す。ピュアだし元気!やはりもう一度大学に行きたくなるよね〜。

実はPDはMAXの製作者が作ってオープンソースになっている、という話も参加者から聞いて知った。なるほどね。





6/6 SUAC

LEMUR installation

じじいの練習が4時からになり午後浜松を出ればいいので、例のギターロボットの展示を見ていくことに。

行ったらまだ組み立てている最中で、待ってたら、なんとなくロビーのスタッフの学生と会話状態に。

まだ入学して3ヶ月とのことだが、私が来た目的とか、あれこれ話しているうちに「音楽は何度聴いても飽きないのに、映像はどうして飽きるんですか?」とかいい質問をしてくる。写真集とか飽きないでしょ、と返すと「なるほどー」とうなる。今回の目的のひとつである、映像の操作、の本質がここにあるので嬉しくなる。

学内の技術の授業の意味がわからん、というので、あれこれ有用性を話していたら、ぜひ教えにきてくださいよ、と言われる。このSUACは海外の大学のようなゆったりとした雰囲気で気に入っているので、それもありかな、と思ったり。クリエイティブメソッド、なら自信はあるし(笑)

肝心の展示は、結局不具合からか、fuck、と言ってどっかに行ってしまい、戻ってきたとおもったら昼飯。そうなんだよなー、イスラエルのときもそうだった・・・。残念ながら動くところを見れず。アホー、なんのために泊まったんだか。

肝心の本体。パソコンからUSB経由で、M-AUDIOのQuattroに接続し、そこから4本のコードが4本のギターロボットそれぞれにつながっていることがわかる。Quattroを見ると、MIDI/OUTからの4本なので、本体自体にセンサーがあるわけではなさそうで、もしインタラクティブならパソコンになにかしらつなげることになるが、それは組み立て途中なため不明。

新幹線で東京へ向かい、スタジオに直行。練習後、秋葉のLAOXで、さっそくQuattroをチェック。うーん、in/outあるので、なんとも。。。

6/10 DTM

スタジオの知り合いで、DTMをやっている人の自宅にオジャマ。リズムトラックを担当してもらえないか、ということで、作業用のデータの同期やソフトの使い方などを。

彼の試作ループに、その場でリズムトラックを手で叩くとだいたいイメージどおりらしい。私にとってはもはや生でやる方が楽なのだが、逆に、流れを活かすクセがついてしまっているせいか、数ループへの絞りこみをめんどくさく感じる。これって作品化に相反するものなので、煮詰める感覚を掘り起こす必要を感じた。


6/12 電子パーツ

秋葉で練習後、MSX時代の知り合いで現家電大手の回路技術者に会う。昨年から模索している某おもちゃ?について回路相談。

方向が固まったので、ある程度の部品を購入して帰る。いやあ、電源問題って大きいのね。また、ICの構造も分かって収穫。マシン語を理解できたときのような新鮮さ。ようやく目処が立ちそう。


6/16 自転車訓練

教習の途中の道路に、なんと両端がガケの歩道を発見!早速試してみるがなんなくクリア。ステップを踏むと恐怖感ってなくなるのがよくわかる。もっと長いヤツないかなー(笑)


6/17 リミックス作成

リミックスの録音作業。午後TEAのリミックスで、4月にはもうループを作って遊んだりしていたが、ずるずる録音を伸ばしていたのでようやく。

こういったサンプリング利用での音楽というのは、ネタの選定とループ作成が大事。演奏者が居る音楽では演奏自体がネタになるが、リミックスの場合は、ネタの選定と組み合わせだけがその個性の見せ所になる。

私の場合は、そのネタの微妙な切り具合や入れ具合で別の表情を見せることでオリジナリティーを出そうとしている。ネタ音源を同一に限定しているのは、出展をハッキリさせるためと、その工夫を際立たせるためだ。


6/18 ジャンベとのセッション

アフリカでジャンベの先生についたり、日本でもアフリカドラムの教習をしてる人と、セッション。

本人は、アドリブの苦手意識一杯なのだが、じじいでやっているようなやり方で進めると、今の面白い!とかさっきのはつまらない、とか意識が生まれてくる。

常々思うのだが、自由に演奏するのは難しい、と植え付けている人が居るのだ。それゆえ、いかに素晴らしい才能があっても本人の中の声がそれを否定するクセがつく。できるできないではなく、やろうとしているか否かが大事なのだ。親になるなら、先生になるならその影響を知るべきだと本気で思う。

じじいのドラムを叩いたらすごく感心されたので一安心。気を使っている部分に気づいてもらえたのは同じドラマーだからか。



6/22 供養

中学時代からお世話になり、創作の根元にもなっていたパズル作家、芦ヶ原伸之氏が急逝。

いろいろ考えた末、オリジナルのパズルな香典袋を作成し持って行くことにし、事務所で製作。
黒と白の紙を組み合わせ、市松模様にする案が浮かんだので、ハンズで紙を選定し購入後、コピー用紙で模索。存在すらしないパズルなので、完成形もわからず、とにかく切って組み合わせてみたりする。

一枚の紙に切れ目を入れ、組み合わせるだけ。またパズルなので、解かないと中身を取り出せない、などの方向性が固まり、切ったり貼ったり錯誤する。また本番の紙は若干厚いので組み合わせるときの遊びも考慮が要る。

作りながら、長年の付き合いを想う。組み合わせていて、「これじゃあ美しくないよ」と先生の声。改良し直す。


パズルはどんなに不可能に思えても必ず解答がある。解けなければ視点を変え、アプローチを変えて挑めば必ず解ける。これはモノを創作する上での基本であり、それを幼少から慣れ親しんできたことは大きい。

その環境をずっと与えてくれた先生に、そのスキルで香典を作っている。
ようやく試作ができたので、製図用のドラフターで正確に切り出し。

切り出した本番の紙を編んでゆく。破らないように慎重に。

今日思いついたときは、まさかここまでちゃんとできるとは予想だにしていなかった。やればできるのだ。

試作の山。マンガで言えば下書き、アニメで言えばイメージボード。

結局、通夜には間に合わず、終電までかかってしまう。明日の葬儀に持っていくことにする。



6/23 NOBさん葬儀

NOBさんの葬儀へ。

普通パズルに添えられる、説明書も作成した。オリジナルだから既存の解法はない。向こうで退屈しないだろう。

多くの人が訪れていた。海外の人も。日経にはおくやみが載った。



お別れをする。あの世でもパズルしててなー。出棺はキライなので抜け出す。

ぽかぽか晴れた午後、霊園を通り抜けながら、一生って短いなあとぽつり思う。