第五章補足
「いま読むと気恥ずかしいと思うが?」
僕。
「時代を読んでいるんだ」
ダン。
「五木寛之?」
カノコ。
久々にダンの家で大団円。使い方違う?いいじゃん。とにかくまあ、まあるいテーブルを四角く囲んで一家だんらんの気分。ダンの小説にあーだこーだ。ロールプレイサザエさんだ。
「往々にして、おうおう。なんというか、おうおう。走る屍ってとこね。死者に鞭打つっていうけどさ、もー金属疲労状態。もっかいぺこっとやってぽこっと戻したらぱきんってとこね。でもいいやー、ってさあ。」
くさった雑誌を掘り起こしてその中から器用にフロクを抜き去るカノコ。やっぱ小学六年生よね、これが中学一年生じゃちがうのよ、と僕に同意を求める。求めんな!
付録、付録、付録。カノコの目は厳しい。性格変わったんじゃないか?カノコ?
「ゾンビだからさ、自分の体が壊れてもむとんちゃくなのよね。とにかく進むことだけ。血だらけになっても腕がもげても足がかたっぽ無くなっても。進めなくなっても、もおとにかく進むことだけ考えるの。そうよね?ダンってゾンビマニアだもんね。」
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