第二十ニ章
だって生きていくのに必要な快感は手に入るじゃない。本物じゃないけど手にはいるのよ。それがポイント。サポートだってバッチリ。一人でいろってことよね。でもあたしはいやなんだけど。
「なかなかどうして、生きるのは罪じゃない。セックスいけませーん」
牧師のふりをした、最近急成長の公園通り系ビリジアンギャング、アクツがちょっと首をかしげて、あらぬ空に浮かぶアンドロギュヌスを見るかのような目で遠くを見てちょっとガイジンっぽく言う。「アラブ入ってるー」コギャルのケイコがとーとつに言う。知らねーよ、んなの。
渋谷の町は相変わらず雑踏でさ、道路の真ん中で突っ立って、別に誰を引っかけるでもないのにぼさーっと立ってる、もお顔じゅう小麦色に焦げましたってなホストヤローがさ、波間で引き潮に足突っ込んでるみたいに人群れを分けさせてるわけ。マックじゃあ15分後にはごみと化すもの売って、これまたごみにならないうちに体の中に突っ込んでいく人たちがいてさ。ごみごみごみごみ。まさにごみ文化。ごみ創造。豊かだからこそごみ。貧乏だったらクズこそ幣貨。資源なんだよ、って。ノイズって知ってる?目的のもの以外の音をノイズっていうさ。だったらごみだって目的以外のものはごみさ。目的なく生きてるアタシたちってごみなのかな・・。
「アクツー、これからどおすんの?」コギャル入ってない通称ルーが流し目と見せかけないようにサブリミナルでお送りする攻撃だ。
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