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詩人恋川春町氏の詠みに、即興バンド巛(セン)が絡む、というスタイルで3回目のライブ、高円寺にて。
当初から課しているハードルとして、詠みのBGMにせず演奏として適切なグルーヴと音をつける、というものである。
それぞれが独立して立ち、その上でお互いを尊重し、さらにバンドとしても演奏を成り立たせる必要がある。
BGM、つまり効果音にするならば非常に簡単なのだが、それを避け、お互いの音が聞こえかつそれぞれのグルーヴも生成しキープするとなるとかなり至難の業で毎回苦労するがそれも醍醐味である。
今回は恋川氏がペーパーを見るのをやめるというハードルの上で挑んでいて、なかなかの向上心。言葉が脳から直結して出るので自由度があがるだけでなく、他の音に注意が向けられるようになるからだ。
演奏していて非常にベタだがノリが出た個所があって「よかった」といわれたのだが、あとでチェックしても確かによい。このところ演奏時の印象と客観的な印象が一致するのでよい傾向。課題としては、ジャズがロックになったように、なるべく少ないショットで的確にグルーブのフレーミングをすることである。まだ予備線が多い。ジャズを覚えたてなこともあるが(笑)
演奏は通して聴いてナンボだが、ここでは説明のためわかりやすい一部分のみ:
よかったらしい演奏部分( koisen070309_midtake.MP3 / 2.5Mbyte )
ポイントは、ベースが攻めのフレーズをしかけたり、後半ボーカルのシャウトが入ると明らかに全体のトーンが変わり、ドラムも別のパターンに切り替えなければならないのだが、リズムを突然止めても切り替えても不自然になってしまう。そこで、元のリズムのトーンを減衰させつつ、新しいリズムにカメレオンのように移行させている。
巛(セン)とじじいのギターで一緒の山崎泰雅氏のアコースティックイベントにお誘いを受け、ソロ参加、岩名義。江古田flying-tea-potにてライブ。プログレの聖地らしい。
アコースティック、というお題があり、しかし場所的にドラムが使えない。
今アコースティックな楽器で自分がコントロールできるのはドラムとベースとピアノ。アフリカの太鼓とかもあるが、30分持たせられるとなると微妙、
散々迷った末以前から目をつけていた良く鳴るゴハンの内鍋※1を2コ叩くことにした。
叩くとなると何で叩くかがポイントになる。ドラムのスティックでは硬すぎ、オーケストラのティンバレスで使われるマレットみたいなものが理想だがこれがまた売ってない・・・!結局直前まで江古田でも探したが見つからず、近くの神社で神様にお許しを乞うて神木の落ち枝をいただいてきた(笑)これがほどよく湿気があり、なかなかいい音なのだ!
もともとは、その場でベースを弾いてそれをサンプラでループさせ、それに合わせて鍋を叩くつもりだった。ヘッドラッシュというAKAIの名機だが、今の自分には微妙なズレが論外で使うことができず、仕方がないので、リハのあと、その日の気分でベースを弾いてそれをしっくりくるループに微調整したものを多数仕込んでおいた。
ライブ演奏(ラスト曲):
ベースサンプラループ+内鍋 x2( gun070310_lasttake.MP3 / 2.4Mbyte )
ベースがずっと繰り返され、それに合わせて鍋を叩く。徐々に鍋のスピードが上がっていくだけに聞こえるかもしれないが、ベースと合わせている意識を持っているので、ベースがちゃんと聞こえるのがわかるだろう。これが音空間で相手の場所を用意してあげる、ということであり、ようやく最近私が会得できた技術だ。
この日、出演の女性と話してたら、絵を書く訓練についての話題になった。
この女性は「とにかく書きつづけることで、左脳を黙らせる」つまり、理論的思考を封じる手法について話しをしていたのだが、面白いことに、私の場合は「右脳に任せる」という手法をずっと鍛錬している。
つまり、アプローチがまるで反対なのだ。
で、気付いたのだが、
この女性は右脳主体で行動をしていて(女性はたいがいそうだと思う)左をいかに制御するか、が課題になっているのだろう。
私の場合は理論、つまり、左脳主体で行動しているため、右脳のもつ直感性などをどう発揮させるか、が課題であり、ここまでアプローチが変わるわけだ。
つまり、このページでの発見とか手法とかのアプローチは、理論的な人、つまり左脳が主導権をもつ人に有効ということと言えるのかもしれない。
例のモントルーの音源をプロの方に聞いてもらったら一発で、ビルエバンスのモントルーライブとすぐ言われた。さすが。。「お城のジャケだよ」とのこと。
ここ一ヶ月の成果で、今回は裏ハットが踏めた:
...テーマ部分のみ( jazzsession070315_intro.MP3 / 0.5Mbyte )
いいことなのか悪いことなのか、ふつーなジャズなトーンが実現!
ジャズの裏ハットとは、ロックでいうスネアの位置に相当すると気付いた。なので、スネアでいい感じに入れられるならばその感覚でハットを踏めばいいわけである。
プロの方にいずれライブやりたいなあ、とお誘いを受ける。初見で音楽のツボをつかむのは音楽家として大事なことだ、とお褒めをいただいているのだが、私としてはベースソロになるとアタマを見失う、つまりジャズのベースソロのツボが完全に把握できてない負い目もあるし※2、何よりジャズドラムが叩けてないので、修行して出直します、という気持ちで一杯。ブンブン言う4ビートにはバッチリ合わせられるようになったんだけどなあ!本心はやりたくてしょうがないんですが(笑
このページだけだともうなんか音楽三昧な状態(笑)だが、発見と成果のみの記述なのですんません(笑)
以前ライブを見て頂いてて「ぜひうちのハコでも」ということで西荻窪waverでライブ。
前回課題だった「アンプが客席に向いてないゆえの音圧の弱さ」 をカバーするためアンプが正面を向くようにしたら、ドラムがなんと向こう向きになった!(笑)
ウチのバンドは結成当初から、お互いを見て演奏を合わせたりしない方針※3なので問題はないが、工房みたいな見た目のステージになった。
(画面右ナナメ下が客席、手前二人の弦楽器に挿まれた奥の背中がワタシ)
ライブのモニターについてわがままを言う、というのは非常に大事である。なぜならもし誰か一人がよく聞こえない状態だと、その人は聞こえない音に合わせられないということになり、その「聞こえない音」に対して無配慮な状態のまま音を選択し自分の音を決定してしまう。もちろん聞こえてないのはその人だけなので、その無配慮の音は「その人には聞こえてないが実際は出ている音」とぶつかる。結果、バンド全体のクオリティがガタ落ちになってしまう。
特にウチのバンドはニュアンスに合わせているので音程やトリガーが聞こえればいいわけではない。モニタースピーカに頼らず※4、ギターアンプベースアンプを直に聞こうと配置に苦心しているのもそこに起因している。
バンドのクオリティが落ちるということはやっていて楽しくないことになるし、そんなのはお客だって楽しくない。ステージ上で昇天することだけがバンドに課せられた使命で、それを追及しないのは怠慢以外の何物でもない。自分たちが狂えるような環境が整ってまず第一段階、だと私は思う。全体のためのわがまま、なのだ※5。
もちろん限られたリハの中でやる作業だから妥協せざるを得ないことも多いのだが、どうしたら自分が、ひいては自分たちが気持ちよくライブができるのか、あきらめず模索しにじり寄ることが創作の基本姿勢だ。これは音楽に限らずすべてに共通すると思う。
今回、ステージ上がデッドなので、ギターの非常に繊細な音まで聞こえたりで、ドラムも非常に小さく叩く必要があったりで、アコースティックなライブになった(笑)
このところギターの玉が要求している「なるべく小さい音でスピードをゆっくりやればノリもでるしニュアンスも出せる」に応えるため、「音は小さいがスリルはある」叩き方※6の練習を重ねていたので対応が出来た。
今日はクリエイティブサポートの山崎氏が自身のバンドライブで来られず、音的に弱くなった。メンバーは以前と同じフレーズを演奏しているのだが、今や楽曲上に彼の場所が存在している※7わけで、こういう現象こそがDTMでは決して再現できないところだと思う。
次はライブの進行にドラマを盛り込む必要性あり、プロのライブを見たりしてMC※8研究の必要がある。
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このページでは私の成果、発見のみ記述しております。
※1
以前イカ天かなにかで出てたバンドが、脱水機のドラムなどを使ってた。
※2
ベースの意図がわからないということは、音的にも流れ的にもドラムが上書きする可能性があるし、なにより、コミュニケーションが
取れてないのが納得イカンわけです
※3
見て合わせると微妙な遅れが生じ気持ちよくないのだ
※4
なるべく全員が、聴こえてくるオリジナルのスピーカー音(ギターアンプやベースアンプ)に合わせて演奏できる状態にしたい、というかねてからの願いである
※5
毎回PAさんには感謝している次第。ご恩はよい演奏で返せていれば幸いです
※6
弱く叩くのは簡単だが、小さい音量で強いときのニュアンスを残す、のは至難の技
※7
具体的にはメンバー全員の脳内
※8
演奏の合間のしゃべりのこと
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