NHK ETV2003 「シリーズ親友」 蜷川幸雄、安藤忠雄 2003年2月11日放送 安藤「我々もね、アメリカ、イギリス、フランスで仕事するでしょ、例えば仕上がり一つでもね、こういうふうにして欲しい ( と言うと相手側が ) 「なぜこんなことをする、必要がない」と言うんですよ。で、( それに対して我々側は )「日本的な感性から言えば、こうなんだ」と言うときに、まあいわゆるディスカッションをするわけですが、ディスカッションしてもなかなか判りづらいから、日本に来てもらって、現場に行って、現場で出来たものを見ても判りませんので、出来る工事中の物を見て、出来たものを見てですね、徹底的にディスカッションするんです。 だけど「安藤さん、こんなこと頑張らんでもいいんじゃないか」と向こうは言うんですね。たいしたことない、と。いやなしに ( そうではなく ) 、もうすこしそのいわゆる文章のように言葉がきちっと並んでですね、文法がきちんとできていればいいんじゃないか、と・・・理屈さえ通っていればいいんじゃないかというのが向こうで、日本の場合はもうちょっと感性もお願いしたいと(笑)。感性的からみてもこうスマートにできるようにしたいと・・・。 で、コンクリートの仕上がり ( について ) 「コレ、あなたそんなコンクリートの仕上がりは問題ない」と ( 相手が言う ) ・・・わかるんですよ、わかるけれどもこちらはこういう、そのときにどれだけディスカッションできるか、と。で、相手は譲りませんから・・・。けれど日本人と話をしていると、ちょっと話をしていると「マ、いいでしょう」と、もうスーッとディスカッションなくなるんですね。どうもやっぱりこれから日本人はやっぱりディスカッションを重ねてお互いに納得をして前に行くようにならないといかんでしょうね。その点外国に行くとそのあたり強くなってきますね。 (建築家 安藤忠雄氏談 )(注)カッコ内は私TPM.COが補足しました) |