クソゲーソフトレビュー:0003 「エアーズアドベンチャー」1996年 GAME STUDIO セガサターン |
ファミリーサーキットまではイケてたが、カイの冒険でクソゲーに足を踏み入れ、ブルークリスタルロッドで多くの人に「?」を浮かばせたゲームスタジオのゲーム。連ねるビッグネームに関係無く、とてつもないストーリーが展開されるゲームに仕上がっている。 操作性関係はディスクからのロード時間も手伝ってカスゲーに足を踏み込み掛けているが、ストーリーの突拍子さなど(最近のゲームにしては)あまりにもクソゲーの要素を備えているのに驚く。海で船が見えない壁に当たって進めなくなる、人で壁を作ってプレイヤーを遮る、など明らかに世界観ブチ壊し。次世代機でやるとはすごすぎる!
さて、ゲームスタート。いきなり処刑されるシーンからである。取ってつけたような観客のどよめきの中、斧が振り下ろされるがぜんぜん恐怖感がない。このへんはFFUのオープニング「絶対負ける戦闘シーン」と同様、プレイヤーはおいてけぼりである。そしていきなり通りかかったコーリン姫から「処刑をやめなさい」の一言。なになに?とおもっているうちに、秘密結社の人がつかつかと歩み寄ってきて「入団」を促す。おいおい、処刑を見に来ている人がたくさんいるのにすごいな。断りたいが「町の人が人壁をつくって通してくれない」。仕方がないので結社の建物の方に。町の一軒だぞ?すごいな。中に入ると入団には3つの試練が必要らしい。で、いきなり団員と戦闘だ。パッドが表示されたり、団員がゴミのように散ったり、お金が上から紙屑のように振ってくる。これで試練は1つ終わり(え?)。次は迷宮の中の団員の印を取ってこいとのこと。曲がり角でターンテーブルのようにまわったりした挙げ句1本道の先でいきなり見つかって2つめの試練は終了する(ナニ?)。3つめは薬草を買ってこいといわれ買ってくると酒場にいけといわれ、いくと怪我をしたやつが出てきて「オマエが新入りか」ときたものだ。そしてその場で秘密の指令を語りはじめた。おいおい、町中だぞ!またその指令に従っていった屋敷で手紙を預かるのだが、われらが主人公ヘンリーは屋敷をでたとたん「絶対中を見るなよ」と言われた手紙をいきなり読みはじめるのだ!!!おいおいおいおい!なんじゃあそりゃああ!
このゲームでは戦闘の、主人公側に重点が置かれている。敵のキャラが明らかにラフに描かれているのに対し、主人公側のポリゴンは実に丁寧に書き込まれている。ここに製作者の狙いがあるようだ。 戦闘はコーリン姫と旅を同行しはじめてからなにやら様子が変わってくる(一人のうちは断然つまらない)。戦闘はガードが完璧なのだ。ノーダメージである。これを知ったとき小躍りするだろう。どちらかを矢面に立たせて後ろのやつが攻撃をするのである。ヘンリーがガードをし、コーリンが魔法をかける。前列から後列にいどうするときも気遣いながらそろそろと移動する。ヘンリーがHPゼロで倒れたときなどはムービーが入り、倒れたヘンリーを心配して見つめるも、今なお向かい来る敵に向き直るコーリンは気丈さが出ていてなかなかいい。また、FF6で存在したストUコマンドもある。左下Bとかやると通常攻撃よりでかい必殺技が出せて、またこれが無制限で嬉しい限りである。 戦闘に関してはここまで主人公に重点を置いたRPGはなかっただろうと思う。これまで主人公にはパラメータはあるしレベルがあるが、戦闘中は只の記号でしかなかった。ある意味このゲームでは敵キャラがおまけではないか?と思うほど主人公たちのキャラはりっぱだ。敵はゴメンなさいというくらいポリゴンが少なく、モーションも4パターンしかない。戦闘ではつい敵を見る悪いクセがあるが、敵は叩くためのマークでしかありません。味方を見るとよいです。
このゲームでのウリの一つ、町中の表示方法がドラスピビューである。最初は3つの試練とかうんざりすることが多いので気づかないが町などで移動していると屋根が画面をなめてとおり過ぎたりする。これが結構快感なのだ。特に後半にある聖堂は高さが感じられてすごく好きだ。カッコイイ。
一回エンディングを見たあとはじめからやり直すと判るのだが、あれだけダサく感じられたものの裏にある作り込まれた部分が見えてくる。紙芝居ムービーなども構図やタイミングに気を使っているのが浮き上がるように見えてくるのだ。確かにそれなりにカッコイイ部分が多い。これは今までにない楽しみであったが、それは2周目の話。1回目はとにかく時折驚かせられるストーリーをのぞいて、タルさ爆発なので相当構えて遊ぶ必要があるだろう。なるべく安く手に入れること。次世代機で見られる、いい意味で「クソゲーの基本」が詰まったゲームであるが、カスゲーでないので救われている(次世代機はカスゲーが多すぎる)。 |
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