クソゲーソフトレビュー:0002 「マルサの女」1989年 イーティー / CAPCOM ファミコン |
内容は脱税者おぼしき容疑者の容疑を固め、白状させていくゲームである。つまり、根本的には「オホーツクに消ゆ」などのコマンド選択型アドベンチャーと何ら変るところはない。ただ主人公が化粧バッチリのおばさんで、容疑者が愛人抱える太った成り金という感情移入に困る設定だというだけである。舞台もパチンコ店、不動産屋、大邸宅。う〜ん、出来れば触れたくない世界だ。
このゲームの序盤を少し紹介しよう。税務署の主任から「港町のパチンコ店が怪しいので調査してくれ」と頼まれて、パチンコ店等に出向いていく。移動画面はマザーのようなクオータービュー。味のある作りで私は好きである。電車に乗って隣町のパチンコ店にいくと、そっけない反応であっけなく帳簿などを借りられたので税務署に戻って調べると「メインバンクにしては貯蓄額がすくない」らしい。そうなのか。突如現われた部下に他銀行を調べさせ、自分は東亜銀行という他銀に向かう。パソコンで調べてもらい、本人名義と息子の名義で帳簿に無い何千万もの隠し預金があることを知る。この情報を武器にパチンコ屋店主「工藤」に戦いを挑みに向かう。有力な情報を持っているので「税務署をなめるとこわいわよ」とおどすと「けんかごしでなんですか」と追い出されてしまった。懲りずに事務所に入ると「またあなたですか」といいつつ話を聴いてくれるところがゲームである。今度は「東亜には預金はないんですね?」とか引っかけたり、相手のボロを引き出したところで脅し、困ったところを「今なら情けもあるわよ」とマクド攻撃。「女房に怒られちゃうよ」といいつつもあっさり白状した。 工藤からは「脱税マニュアル」なるものの存在を聞かされる。これに絡み巨大悪との対決へと発展していくストーリーとなっているのだ。
簡単なコマンド選択の進行だが、人間味が感じられ心地よい。また、コマンド総ざらえするようなことに陥ることのないようゲーム進行にも工夫がしてあって、自然とそのコマンドをえらぶように設計されているらしい。例えば、何度も同じコマンドを選ぶパターンや、何かの操作で新たにコマンドが増える場合も特に詰まることなく進めた。このゲームのかなめである容疑者を問い詰めるシーンは完全にパターンだと分かっているものの、あれこれ予想して選択するのが楽しい。ゲームとしてプレイヤが工夫する余地はない一本道アドベンチャーであるが、微妙な味がイカスゲームだといえよう。 |
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