スキゾ・エヴァンゲリオン(太田出版 1997年3月10日発行) P134より抜粋 貞本 しょっちゅうだったよね、「トップ」の時は。庵野さんが怒る度にみんながシーンとするんだけど、俺だけなんか、ニヤついちゃう(笑)あ、まだだって。 摩砂雪 でも「トップ」の五、六話とかさ。 貞本 最初は、外注した美術にまず切れたんだよね。こっちに美監(美術監督)がいたんだけど、(スケジュールの都合で)外に出したら、それがちょっと不本意な仕事だった。それで再出しするにはお金がかかるけど、そのお金はないわけ。それで美監に頭下げて「君が直してくれ」って頼むわけだけれども、「時間がないし、やってられないよ」と美監が言うわけですよね。そうするとしばらく下向いてて、ブルブルブルッて全身が震え出す。で、いきなりのその辺の本棚に、頭ガーン、ガーンとぶつけだして(笑)。涙ボロボロ流しながら、「チクショーッ、チクショーッ」とか言い始めて。そしたら、その美監、佐々木って言うんだけど、根負けして「泣く奴には勝てねえよな」(笑)。それで皆が徹夜で直すっていうような状態ですよ。 |